なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

保釈請求がやりやすくなってきたかもしれない話

 ちょっと前まで、保釈という制度はあったものの、実際の運用はかなり厳しいものでした。とくに、第1回公判開始前の保釈は、裁判で被告人がどのような弁解をするか不明であるという理由によって、なぜか制限されてきたのが実情でした。つまり、捜査段階では素直に認めていても、保釈して周囲のものと相談したり打ち合わせをする中で、裁判になって急に無実を主張するケースもあります。そうした動きを恐れて、保釈をしないという運用が定着してきたのです。
 ところが、最近のお塩先生のりピーの保釈の動きはどうよ。昔を知るもの(?)としては、驚きを禁じ得ません。女性死亡問題が未解決だったり、クスリを抜くために逃走したり、ある意味で今後の展開は予断を許さないと思われる被告人たちなのに、こうもあっさり保釈が許されるというのは、意外感が強くあります。
 もちろん、弁護士的には、保釈を広く認めてもらえることに問題はありません。従前の扱いが異常だっただけといえるからです。
 ということで、これからは全国的に保釈の運用が緩くならないか期待しています。もし、保釈請求が却下されたなら、「お塩先生のりピーはよくて、なぜウチだけだめなのか」と裁判官に迫ってみようと思います。