なるしすのブログ

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 暴力団員による看守への贈賄、結審まで6年半(中日新聞)

 全文引用につき、長いので隠します。

 刑務所に拘置中、看守に不正な差し入れをさせた見返りに現金を渡したなどとして、贈賄や恐喝、傷害致死などの罪に問われた指定暴力団組員桑原裕幸被告(36)の第七十二回公判が十日、千葉地裁(古田浩裁判長)であった。弁護側は最終弁論で、贈賄罪などについて無罪を主張。二〇〇〇年三月の初公判以来、六年半に及んだ裁判はようやく結審した。判決は来年一月三十一日。

 検察側は前回の論告求刑公判で「狡猾(こうかつ)かつ大胆な犯行」として、懲役二十年を求刑。また、桑原被告が不当に公判を引き延ばしたとして、未決拘置日数を刑期に算入しないよう求めている。

 弁護側は、贈賄罪について「看守が立て替えた金の精算にすぎず、謝礼としての性格もない」として無罪を主張。また「裁判長期化の責任は裁判所にもある」として、未決拘置日数の八割以上は刑期に算入するべきだとした。

 桑原被告は初公判以来、体調不良を訴え、そのたびに公判が延期されたり開廷が遅れたりした。また、検察側証人への異議申し立てや裁判官の忌避申し立てなども連発。弁護人の解任も繰り返し、選任された弁護人は十三人(延べ十八人)に上った。

 検察側は〇四年五月の公判で、裁判の迅速化を求める意見書を裁判所に提出。今年五月の公判では、弁護人二人が裁判所の訴訟指揮に抗議し、在廷命令を無視して退廷する一幕もあった。

 起訴状などによると、桑原被告は千葉刑務所に拘置中の二〇〇〇年十一月下旬から同年十二月上旬にかけて、男性看守=懲戒免職、加重収賄罪で実刑確定=に命令して食べ物や携帯電話などを入手。見返りに、現金十五万円やプロ野球の観戦チケットなどを渡した。

 どこの裁判所にもこうした特殊な被告人はいるものですね。それにしても異常な事態というほかはありません。
 看守から食べ物やき携帯電話をもらっていたということですが、こうした異常な人物に見込まれた看守も、ある意味、犠牲者なのかもしれません。
 求刑の懲役20年というのは、傷害致死罪がくっついていることを考慮に入れても、これまた異常な重さ。裁判が長期化したことへの検察庁のいらだちが手にとるようにわかりますね。