なるしすのブログ

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 美祢市:PFI方式の新刑務所、警備員採用試験に50人 /山口

 国内初のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式の新刑務所「美祢社会復帰促進センター」に勤務する警備員の採用試験が23日、美祢市であった。市内を中心に男女約50人が会社説明や面接に臨んだ。
 募集は東京の警備会社「セコム」が実施。刑務所のため設立する子会社の民間警備員となる。仕事は、受刑者と接する刑務官とは異なり監視や物品管理などが中心。
 5月に始まった選考会は3回目で、延べ50人の採用枠に約150人が応募した。6〜7割は美祢市在住という。試験を受けた40代男性は「募集は新聞で知った。地元で多くの人が働ける職場になってほしい」と話した。
 刑務所の民間事業を統括する特定目的会社「社会復帰サポート美祢」の太田幸充常務は「地元の人を優先的に採用したい。女性警備の働き手が足りず、募集を続けたい」と話した。【佐藤丈一】

5月24日朝刊
毎日新聞) - 5月24日16時2分更新

 ついでにもう一つ。
 新刑務所は名前がいいですね。「美祢社会復帰促進センター」。
 今までの刑務所は、管理中心で受刑者の社会復帰後のことにはほとんど無関心でした。たとえば、生徒を管理し、校内暴力などをなくすことだけを考え、進学や就職の面倒を見ない高校があったらどうでしょう? そんなところに行きたいと思いますか。また、そこを出て、あるいは出ることになって、将来への希望が見えてくるでしょうか。刑務所が面倒を見てくれないなら、自力で切り開くしかありませんでしたが、上のニュースにあった通り、新聞の購読さえ自由にできなかったのです。まして、刑務所内から新聞を見て出所後の勤務先を探したりなんて夢のまた夢でした。
 「美祢社会復帰促進センター」をという名称を名乗るなら、それこそ社会復帰に役立つ組織にしてほしいものです。
 何度もいうようですが、そうやって受刑者がきちんと社会復帰を果たすことが、もっとも社会の将来にとって安全なことなのです。ここでコストを惜しんだ結果、受刑者が外に出てまた犯罪を犯して戻ってくるのでは、結局、社会的コストは高くつきます。
 平和な社会を作るためにも、「美祢社会復帰促進センター」の実験が成功することを祈ります。