なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

受刑者が盲導犬育成へ 子犬と24時間生活

今年10月に開所する民間資産を活用した刑務所の「島根あさひ社会復帰促進センター」(島根県浜田市)が、受刑者への矯正プログラムとして盲導犬の育成を導入する。受刑者が子犬と24時間生活を共にするという刑務所では初の取り組み。受刑者に動物をいたわる心を養わせ、同時に頭数が不足している盲導犬の普及にもつなげて社会貢献も図る。

http://mainichi.jp/select/today/news/20080628k0000e040028000c.html?inb=ff

 生理的に犬が苦手なひともいるかと思いますが、それ以外の受刑者にとっては、ちょっと貴重な体験ができそうです。
 この手の新設刑務所に収容されるのは、ほとんどが初犯者です。しかも、犯罪傾向が進んでおらず、身元もしっかりしているような、選ばれた受刑者(スーパーA級なんて呼び方をします)が多いです。暴力団のような人は、扱いが難しく、開放的な処遇に適さないと考えられているからです。
 しかし、もともとスーパーA級の人は、更生の意欲も高いし、刑期もそれほど長くはありません。出所後の受け入れ先もしっかりしているので、むしろ、刑務所内での更生プログラムは必要ないといえるような立場にあります。
 逆に、暴力団員や何度も刑務所に出入りしている人たちは、確かに集団生活をさせるのも難しいし、きちんと教育プログラムを受けようという意欲さえないかもしれません。しかし、本当に刑務所内での更生教育が必要なのは、こういう人たちです。刑務所を出ても行く先がなかったり、またもとの荒んだ生活に戻るしか内容は人たちにこそ、立ち直るための教育や「いたわる心」を養わせたりする必要があるのではないでしょうか。
 この記事にあるような実験的な試みが、スーパーA級のひとたちだけでなく、B級の受刑者にも行き渡るようになることを期待しています。