なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

監視社会と塀の中

 朝日新聞のニュースより。

指静脈画像で受刑者管理へ 法務省が来春導入

 法務省が、刑務所に収容した受刑者から指の静脈画像を採取し、個人を識別する生体情報として利用することを決めた。来春開設される山口県美祢(みね)市の新型刑務所にシステムが導入される。一生変わらない個人情報を国が新たに集めることになるため、「監視社会」化に道を開くと危惧(きぐ)する声もあがっており、日本弁護士連合会(平山正剛会長)は25日、「国会でも全く問題提起されていない。慎重に議論する必要がある」との意見書を同省に提出した。
 美祢市の新型刑務所は、警備会社のセコムが中心となる民間企業グループと法務省による初の共同運営方式をとる。これまでの刑務所と違って、受刑者の行動の自由を大幅に認めるのが特徴。看守は原則として受刑者の移動に付き添わず、受刑者の服の胸につけたICタグが発信する位置情報を使って、中央警備室のモニターで動向を監視する。

 だんだん欧米の刑務所みたいになっていくわけですね。そのうち、GPSユニットをつけて自宅軟禁、みたいな制度が本当にできそうだし。
 さて、日弁連がこの試みにさっそく反対の声を上げています。
 だけど、σ(^^)としては、それほど反対でもありません。ひとつは、それがあくまでも美祢刑務所での試行にすぎないこと。二つ目は、その引き換えとして、それなりの自由が与えられる可能性があること。これが契機になって、全国の刑務所に導入が進むかもしれないという段階になって、その与えられる自由との関係で議論をすれば足りるのではないでしょうか。何がなんでも反対というのでは、刑務所改革も遅々として進まないような気がします。
 それにしても、この美祢の民間刑務所、なかなか見どころが多そうです。開設されたら、日弁連でチームを作って、速い段階で見学にいこうと思っています。