なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 三島の短大生焼殺、元建設作業員に二審は死刑

 静岡県三島市で平成14年、短大生=当時(19)=が火を付けられ殺害された事件で、殺人などの罪に問われた元建設作業員の男(33)の控訴審判決公判が29日、東京高裁で開かれ、田尾健二郎裁判長は一審の無期懲役を破棄し、死刑を言い渡した。死刑を求刑した検察側と、被告双方が控訴していた。
 検察側は控訴審で「灯油を全身に浴びせ、火を付けるなど残虐非道。鬼畜のような所業で社会的影響も大きいが、一審判決はことさら死刑を回避し、不当」と主張。弁護側は「計画的ではない。反省し、被害者も1人」と訴え、有期刑を求めた。

 私は死刑廃止論者のつもりです。
 でも、現在の裁判例として、殺された被害者の数を基準とするのはおかしいと思う。被害者が3人なら死刑だが、2人なら無期というのがひとつの相場になっています。この判決は、それよりさらに厳しく、被害者が1名なのに死刑を選択したもので、そういうこれまでの流れからすれば、基準を逸脱していることになります。
 ですが、この犯人の非道ぶりは目に余ります。被害者にはなんの落ち度もないのであって、死刑の選択が許されるとしたら、こういった奴以外にはありえないのではないかとも思います。山口県で女性と幼い子供が、押し入ってきた少年に殺された事件がありましたが、あれも被害者が2名とかいう理由で死刑が回避されました。やはりそれもおかしいのではないか、と思わざるを得ません。