なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

代理人は弁護士のみ?

 弁護士というのは、当事者間の紛争に首を突っこむのが仕事。したがって、通常の場合、依頼人のほかに、相手方というけんかの相手がいるのが通常である。相手方も弁護士を代理人として選任した場合、まあ、弁護士同士の話となるので、常識的な話し合いが可能となるのが、一般的である。
 ところが、相手方が、場合によっては弁護士以外のものを代理人に選任することがある。たとえば、暴力団員や右翼団体の構成員などを代理人に選任するというケースである。どうも、相手方の真意は、そのようなものを代理人として選任することにより、こちらの依頼人を怖じ気づかせ、交渉を有利に運ぼうというものらしい。
 しかし、こちらが弁護士をつけている以上、そのようなものに屈することはありえない。弁護士以外のものが、報酬をもらって代理人となるのは弁護士法に違反するし、報酬がなくても、業として行うと同様である。
 でも、こういう説明をすると、いかにも弁護士がギルド的に職域を守ろうとしているように受け取られる。しかし、実際には、法的知識のないものを代理人としても、結果的に、本人のためにならない。暴力団等を代理人とすることは、場合によっては本人も刑事事件の犯人として検挙されることになる。このようなリスクまで考慮に入れている人は少ない。
 田舎では、弁護士の数が少ないこともあり、子のようなことが起こりやすい。注意が必要だ。