なるしすのブログ

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 広島弁護士会:広島刑務所に人権救済の勧告 /広島(毎日新聞)

 合理的な理由もなく監視カメラ付きの独居房に長期間入れるのは、刑務所長の裁量権の逸脱などとして、広島弁護士会(大本和則会長)は8日、広島刑務所(平川輝忠所長)に対し人権救済に基づく警告と勧告書を出した。元受刑者の男性が04年7月に同弁護士会に救済を申し立て、同会が調査していた。
 警告書によると、男性は02年11月に同刑務所に入所。04年7月、体調不良を訴えたが応じてもらえず、自殺しようとしたところ独居房に入れられた。その後、病気治療で一時外部病院に入院、自殺などの恐れは見られなかったが再び独居房に入れられていた。
 同会の人権擁護委員会は「カメラ付き独居房に収容する理由はないのに、漫然と長期にわたり収容し続けた。退院後の収容は裁量権の逸脱で人権侵害と言わざるを得ない」としている。【下原知広】

11月9日朝刊
毎日新聞) - 11月9日14時1分更新

 地元ネタなので記念カキコ。
 カメラ付き独居房というのは結構あるんですが、そこへ入れたことが人権侵害になるのかならないのか、案外、そこを検討した事例というのは少ないようです。刑務所は、自殺事故が起きた場合に、責任を問われかねない立場にあるわけで、ちょっとでも危険があれば、カメラ付き独居房に入れたいのでしょうね。
 このケースでは、自殺のおそれがなくなってからも、漫然とカメラ付き独居房に収容したことが警告の対象になりました。独居房収容が懲罰の代わりとして用いられることも、まま見られることですが、本件の刑務所の真意はどうったのでしょうか。