なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 よく分からない向井亜紀の怒り

またやったTBSお粗末VTR…向井亜紀激怒(夕刊フジ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040730-00000015-ykf-ent
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_07/g2004073001.html

 問題のニュースは26日午前零時半(日曜深夜)からの「JNNニュース」。25日の向井さんの講演を取り上げ、「生みの親より育ての親。分娩(ぶんべん)しただけの人が親といえるでしょうか」という発言を放送した。

 この向井発言に、視聴者の一部が猛反発。「『分娩しただけでは、母とはいえない』とは、何てひどい言い方をするんだ」など、多くの抗議が寄せられたという。

 実際の講演では、向井さんが目にした虐待を受けた女の子のエピソードを紹介した上で発言していた。「あの言葉の前には、“虐待の現状を垣間見て”という限定の言葉があり、あの言葉の後には、“その子へ愛情を注ぎ、幸せにしてあげたいという意思がなければならないと思いました”という、述語がつながっていたのです」(HPより)。

 つまり、発言の前後がカットされたため、発言が“独り歩き”してしまったというのだ。

 ん〜、向井さんの怒りがいま一つピンときませんね。「生みの親より育ての親。分娩(ぶんべん)しただけの人が親といえるでしょうか」という発言をしたのは事実なわけですよね。その前後の発言を踏まえてみても、結局、向井さんが上記のような発言を、文字どおりの意味で使っていることは明らかなんじゃないですかね。もちろん、TBSは、もっと前後も含めて長い部分を放送すれば良かったのでしょうが、ニュースの時間の都合もあるのだろうから、とりたてて恣意的な編集といいきるだけの根拠にも乏しいように思いますが。勘繰った見方をすれば、視聴者から強い反発が来たので、その責任をTBSに転嫁しているだけのようにも思えちゃいます。
 最近、報道で被害を受けたという訴えが多くありますが、有力政治家や芸能人など、テレビ局から見れば「強者」からの訴えが多いのが気になりますね。そういった「強者」のひとたちは、報道に対してやり返すだけの力やスタッフを有しているし、他のメディアを使った反論なども可能な立場にあることが多いわけです。にもかかわらず、そういった言論による反論や批判を行わず、テレビ局にそのまま怒りをぶつけたり、さらには告訴などといった強行手段をとることが多くなっているように思います。もちろん、間違った報道自体は許されることはありませんが、このような事態が続けば、メディア界自体が過度に萎縮してしまうのではないかとおそれています。