なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 逆転有罪の理由はこれでよいか

 村岡元長官の事件は、1審が無罪、2審が有罪という正反対なものになりました。
 σ(^^)は、基本的に政治家がカネの問題であれこれと弁解をしたり、誠実に対応しないのを見ると、とても腹が立ちます。ですので、村岡さんの弁解についても、はたしてそれが本当のことを言っているのか、それともポーズにすぎないのか、実のところよく分かりません。どちらにしても、巨額の金が動いていることだけは確かで、村岡さんに同情する気になれないのも事実です。
 ただ、高裁が逆転判決をしたその論理は、結局、いつものパターンで、たいへんがっかりさせられました。

 一審・東京地裁判決はこの証言を「到底信用できない」としたが、須田裁判長は「信用性が極めて高い」と正反対の判断をした。その根拠として、(1)証言の根幹部分は逮捕直後から一貫している(2)あえて虚偽を述べて元長官ら国会議員を罪に陥れようとする理由がない――と述べた。

http://www.asahi.com/national/update/0510/TKY200705100187.html

 いつもこのパターンですよ。「証言が一貫している」とか「あえて虚偽供述をする理由がない」。この二つ。
 話題になった「それでもボクはやっていない」の映画でも、こうしたシーンが出てきます。似たような経験を何度もしている人であれば、さも本当のことのように一貫した証言ができるものだし、「虚偽供述をする理由」なんてそれこそいくつもあるわけで、裁判長が知った顔で「理由がない」なんて決めつけるのはやめてほしいです。裁判所の狭い社会や、その乏しい社会経験の範囲でいえば、確かに「虚偽供述をする理由」が見当たらないのかもしれませんが、そんな籠の中の鳥の議論を押しつけないでほしいと思います。世の中には海千山千の自称被害者、目撃者がうじゃうじゃいるわけですよ。
 こんな高裁ならないほうがましかなぁ。