なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

「殿」「様」論争ふたたび

 依頼人の金融機関が、紛争の相手方に出す書面の原稿を持ってきたので添削。
 宛先の名前にくっつける部分が「殿」になっていたので「様」に直して返したところ、再修正稿でまた「殿」に戻ってる。
 裁判所もそうだけど、金融機関もお上の発想が抜けてないのかしら。少なくともぼくは、「殿」で書面がきたら腹が立ちますね。そういう文書の返事は、もちろん「殿」という宛先にして返してやりますが。
 たぶん、担当者は、「殿」は立場が上の者から下の者に使うのだという認識がなくなっているのでしょうね。
 しかし、彼らだって、ラブレターや自分の親に出す手紙には「殿」なんてつけないでしょうに。それと同じですよ。相手に対する敬意や愛情があるかどうか。紛争の相手方であっても、同じ人間として尊重して、自分と同列に扱わなければ。