なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

セーラーの格安万年筆「ハイエース ネオ」を試してみた

 上を見るときりのない万年筆の世界。広島が生んだ世界のセーラー万年筆も例外ではありません。同社のウェブカタログに載っているもっとも高級な万年筆は、「木軸黒檀加賀高蒔絵万年筆(尾長鳥)」というもので定価で105万円もします。当然、受注生産。「完成までに数十日を要する贅を尽した逸品です。」と謳われています。
 その対極にあるのが、格安万年筆の「ハイエース ネオ」。定価で1050円ですから、1000分の1のお値段です。

 値段の割にブログや文具店のコラムなどでの評判は悪くなさそうなので、買って試してみました。これなら、もし、気に入らなかったとしても、それほど懐は痛みません。それから、もう一つ試してみたかったのが、同じくセーラーのカートリッジインク「青墨」。これは世の中ではかなり珍しいとされる「超微粒子顔料インク(ナノインク)」を使っているのです。これまたウェブカタログでの表現を借りれば、「耐水性に優れ、乾燥による目詰まりがなく、筆跡がシャープで奇麗。また、耐光性にも優れ、にじまず裏写りもありません。」といいことずくめ。普通の万年筆のインクは水溶性で、ちょっと水がかかると溶け出してしまうし、経年変化でかなり薄くなっていくようです。この顔料インクだとそうした心配がないのだそうです。
 ただ、これまでの多くの万年筆は、従前のインクを前提に作られてきたものばかり。こうした顔料インクを念頭に置いて設計されたものではなく、一説によると、顔料インクだと使っているうちに目詰まりを起こしたり、乾燥で書けなくなったりするらしいです。
 同じセーラー万年筆謹製のペンとインクなら、そうした相性問題も起きなさそう。セーラー万年筆はすでに1本、もうちょっと高級なのも持っているのですが、そっちで試すより前に、こちらで試してみようということで、セットで導入してみました。
 ほぼ日手帳のマス目を使って、それに収まるように書いてみたのが上の写真。「細字」と表記されているだけあって、かなり細いです。持っている万年筆の中では一番細い字が書けそうな感じ。ペン先も合金でかりかりしたタイプ。金のペン先だとインクがすらすらと出てきて力を入れなくても書ける感じですが、こちらはむしろ、ボールペンのようにガシガシ書くような感じのペン先です。
 期待していたインクのほうは、心なしか薄いような気がしますが、もう少し太いペン先のペンだとまた変わってくるのかもしれません。色合いとしては決して嫌いではないので、普段使いの万年筆として、ほぼ日手帳に常用してみようかと思います。