なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 こうした施設をもっと増やそう

 刑務所など矯正施設を出所した高齢者や障害者が適切な支援を受けられずに再犯に走るのを防ぐ「滋賀県地域生活定着支援センター」(近江八幡市桜宮町)が設立1年を迎えた。身寄りがない人に受け入れ施設や住居をあっせんし、障害者手帳取得の申請にあたるなど、設立前の準備室の時期も含めると18人を支援し、相談は50件以上にのぼる。

 滋賀刑務所などが受刑者の中から福祉の支援が必要な人を選び、保護観察所を通じてセンターに依頼。社会福祉士などの職員4人が、出所前から調整支援を始める。対象者は出所後に受け入れ先がないため、支援した18人のうち9人は救護施設や更生保護施設、アパートなどの住居をあっせんした。

お知らせ : 京都新聞

 犯罪者も、有期刑ならいつかは必ず社会に出ていきます。再犯率が5割も及ぶような社会だとすれば、出所者の再犯率を限りなくゼロに下げていけば、犯罪は半分に減ることになります。犯罪のない社会を作ることが国家の目的の一つであるならば、刑務所を増やすよりはむしろ、こうした施設を充実させていき、再犯率を下げていくことの方が合目的的であるように感じます。
 このような施設は、一般社会から見れば、典型的な「迷惑施設」です。地域の治安に不安を感じる人も多いかもしれません。しかし、もし、このセンターを利用する人の再犯率がどんどん下がっていけば、地域の治安も悪化することはないわけだし、むしろ、逆に、他の地域よりも治安が良くなるのかもしれません。
 記事によれば、こうした施設は全国に30ヶ所あるそうです。少なくとも都道府県に3〜4ヶ所あれば、全国をほぼカバーできるんじゃないかしら?