なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

NHKの中継中止に賛成

大相撲の賭博問題に絡み、名古屋場所(11日初日、愛知県体育館)を中継するかどうかを検討していたNHKの福地茂雄会長は6日、記者会見を開き、中継を中止し、午後6時台からダイジェスト番組を放送すると発表した。NHKが大相撲中継を中止するのは、テレビ中継が始まった1953年5月以来初めて。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100706k0000e050080000c.html

 野球賭博問題は、ここ何年か続いた相撲協会の不祥事の中で、暴行死事件と並んでもっとも悪質で許されない問題だと感じます。これに比べれば、朝青龍の暴行事件やサッカー事件、ロシア人力士の大麻問題など、まだまだ可愛いものであったと思わざるを得ません。
 世の中には、「たかが博打くらいで」とかいう人がいます。もちろん、これが仲間内でちょっとしたお金をかけて遊んでいた単純賭博とか、それこそ賭けマージャン程度であれば、そうした評価も可能だったかもしれません。しかし、ここでの問題の本質は、賭博をやっていたとかギャンブルが良くないというのではなく、そこに暴力団が関与していて、億単位の金がそこで動いていたという事実です。
 相撲協会がプロレス団体と同じであり、純粋な民間企業であればともかく、腐っても相撲は「国技」と称するものであり、協会は財団法人としてやっているものです。そんな団体、そんな競技に暴力団がちょっとでも入り込んでいること自体がおかしいし、賭博をやっていた力士が「知らなかった」とはとても考えられない状況にあります。
 したがって、財団法人自体が解散してもおかしくないくらいですし、理事は総辞職して外部から理事長を迎え入れるということをやるのがスジです。賭博に関与していた多くの力士は単なる謹慎ですんでいるし、琴光喜に至っては、協会から損害賠償を請求されてもおかしくないのに、その協会から退職金までいただけるというのは、いくらなんでも可愛がりすぎなのではないでしょうか。「可愛がり」は伝統ある相撲文化(ぷっ!)なんでしたっけ?