なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 本当は怖い十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍(かいよう)の受刑者を放置して死亡させたとして、滋賀県警捜査1課などは29日、業務上過失致死の疑いで、滋賀刑務所(大津市)の男性刑務官8人を大津地検書類送検した。8人は受刑者が十二指腸潰瘍であることを把握しており、適切に対応しなければ死亡する可能性があると予見できたと判断した。
 送検容疑は、平成19年9月16日、受刑者の男性=当時(56)=が、十二指腸潰瘍に罹患(りかん)し、腹痛を訴えていたにもかわらず、医師に診察させるなどせず、刑務所にある胃痛の薬を服用させて放置。同日午後10時半ごろ、潰瘍に伴う急性腹膜炎により死亡させたとしている。
 県警によると、送検されたのは、25〜57歳の男性刑務官。同刑務所は受刑者が同年9月11日に拘置所から移送された際、十二指腸潰瘍であることの申し送りを受けていた。受刑者は15日の夜中から胃の痛みを訴えたが、監督当直者だった副看守長(57)らは腹痛と判断。受刑者は心肺停止となって16日夜、病院に運ばれ、死亡が確認された。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090629/crm0906291237015-n1.htm

 オイラも実は十二指腸潰瘍を煩っていて、定期的にお薬を飲んでいます。幸い、ほとんど自覚症状はなく、胃カメラでは「治りかけ」とか言われていますが。
 一般に、警察も刑務所も仲間意識が強いところで、警察が刑務所側の行為に介入して刑事事件で立件するのはきわめて稀です。しかも事件自体は2年前の話です。そうした、忘れかけられていた事件をあえて立件したというのは、よほどのことがあったのではないかと推測されます。大津地検もしっかり捜査をして欲しいところです。
 最近、刑務所内での医療がめちゃくちゃだと感じることが増えてきました。前からひどかったのですが、ここ1〜2年でさらに悪くなっていると感じます。そろそろ抜本的に手を入れないと、第2,第3の名古屋刑務所事件、徳島刑務所事件のようなことが起きそうな気がする。