なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 わからないでもない発言だが

 横浜地裁の鈴木秀行裁判官(56)が傷害事件の公判で、現場にいた被告の友人が別事件で仮出所中であることに触れ、唐突に「刑務所に入った人間と友達というのは普通考えられない話」などと発言していたことが分かった。弁護人は「出所者の立ち直りを阻害する暴言で、人権感覚に欠ける言動」として、鈴木裁判官に対する懲戒処分を促す上申書を14日、地裁に出した。

 鈴木裁判官は、傷害罪で起訴された横浜市の自営業の男(32)の公判を1人で担当。上申書に添付された地裁作成の調書によると、昨年12月18日の初公判で、被告への尋問で友人について「一体どういう関係ですか」「弁護士でも刑務所に入った人間いるけどね。私の知り合いで。当然、付き合いなくなりますよね」とも言った。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090115k0000m040133000c.html

 たしかに不用意な発言といえばそれまでですが、「人権感覚に欠ける」ときびしく非難するほどのことでしょうか? 
 むしろ、弁護人でも「刑務所に入ったら本人の立ち直りが遅れてしまう。素行不良者とのつながりを作ってしまいかねない」などと言って、執行猶予が相当だという主張をしませんかね・・・。弁護人が被告人の利益のためにあえてそう言うのは構わないが、裁判官が言うのはダメだということなのでしょうが、そんなに目くじらを立てるほどでもないような気がします。というか、これくらいのことは、この裁判官に限らず、他の裁判官も似たようなことを言っているでしょ。
 あえて氏名や年齢、経歴までさらされるのは、気の毒なような気がしないでもありません。