なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 森法相は鳩山の言いなりか

 森法相は25日未明に法務省で開かれた就任会見で、死刑執行について「粛々と実施することが妥当」と述べた。さらに「鳩山元大臣の考えに共感する。法の定めに従って行う死刑執行が大臣のキャラクターで左右されるのはどうかと思う。一つのメカニズムみたいなものができて適正にできればより望ましい」との考えも示した。鳩山元法相は昨年9月、「法相の署名が絡まないでも自動的に死刑が執行できる方法はないか」などと発言していた。

http://www.asahi.com/politics/update/0925/TKY200809250051.html

 一昨日の日記で、森英介さんのホームページを見る限り、森さんは法務行政についてこれまでさしたる関心もないようであり、法相としての資質に疑問があるのではないかという記事を書きました。
 もともと、森さんは法務大臣になりたくてなったわけではなく、麻生内閣における玉突き人事の結果、押し出されるようにして法相に収まったのだとする新聞記事もありました。
 この死刑執行に関する森さんのスタンスを見ていると、やはり、鳩山さんのコピーに過ぎないような気がしてきました。死刑執行が大臣のキャラクターで左右されるのはどうか、という意見にはうなずける部分もないではありませんが、その直後の、「一つのメカニズムみたいなものができて適正にできればより望ましい」というのは、いったい、どんな「メカニズム」を考えているのでしょうか。事件は一つ一つ違うもので、再審請求をしている死刑囚もいるなど、事情は千差万別のはずです。だからこそ、自動執行のような制度ではなく、法相の印鑑が必要とされているのです。そうした問題をすべてクリアできる「メカニズム」があるのなら、さっさと発表して次の選挙のマニフェストの目玉にしてみたらいかがでしょうか。