なるしすのブログ

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 再犯防止:保護観察強化へ 法務省の有識者会議

 法務省の「更生保護のあり方を考える有識者会議」(座長・野沢太三元法相)は27日、再犯防止のために保護観察を強化することを柱とする報告書を杉浦正健法相に提出した。保護観察対象者に保護司らの訪問を受け入れる義務を課すことなどを提言。同省は来年の通常国会に更生保護法案(仮称)を提出する方針。

 報告書は、現場で実務を担当する保護観察官(約650人)を少なくとも倍増させることも求めた。国立の自立更生促進センター(仮称)を創設し、民間施設での受け入れが困難な仮出所者に特別な処遇プログラムや就労支援などを実施することも提言した。そのほか、▽順守事項を守らない対象者の仮釈放や執行猶予の取り消し▽就労支援の充実−−なども明記した。【森本英彦】

毎日新聞 2006年6月27日 21時22分

 アメとムチ、ではないですが、国立のセンター設置など、仮出所した受刑者の支援を拡大する方向も提言されたのはバランスがとれていると思います。提言を受けた政府が、つまみ食い的に立法をしてしまうことがないようにしてほしいものです。再犯のない社会というのは、厳罰だけではなく、更生の意欲があるものに適切な支援をして、そのものをうまく社会に溶け込ませるという作業も必要だと思うからです。
 また、今は、刑務所での処遇が非常に厳しい反面、満期で出所してしまうといきなり規制がなくなります。どこに行こうが、何をしようがおかまいなし。これでは、下手をすると、刑務所生活の反動でいきなり遊びまくってしまい、たちまち所持金に窮して再犯へというルートをつくってしまいかねません。刑務所で釈放前に段階的に処遇を緩和していくという措置も、もっと積極的にとられるべきです。