なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 死刑の執行停止を訴える

 小職は、以前は死刑廃止論者だったのですが、オウム事件などがあって、やはり死刑も残しておいたほうがよいかな〜、という日和見主義者に変わりました。
 ですが、そんな私でも、死刑の執行停止の運動には賛成しています。死刑の執行停止論者としては、亀井静香などが有名ですが、彼らは、とりあえず(3年〜4年くらい)死刑の執行を停止し、その間に、死刑制度について議論し、あるいは死刑に変わる最高刑(終身刑など)の導入について検討したらどうか、と主張しています。
 また、現在は、死刑に関する情報は、ほとんど公式のものがありません。年に1度か2度、死刑執行がなされていますが、法務省から、突然、「本日、3人の死刑確定囚に死刑を執行した」という発表がなされるだけです。死刑が行われた場所、死刑囚の氏名などは公表されませんし、なぜ彼らに死刑の執行がなされ、他の死刑確定者に執行がなされなかったのか、なぜ執行の日としてその日を選んだのか、など詳しい情報は一切、公表されないのです。そのような法務省の態度や、死刑執行の不透明さなども、議論し、改革していく必要があるのではないでしょうか。
 そのための前提として、死刑の言い渡しはするとしても、その執行を、少なくとも議論の間だけは停止してみたらどうでしょうか。死刑の存置論者は、死刑には犯罪の抑止力があるので、廃止すれば凶悪犯罪が増加する、などといいます。執行停止中に犯罪増加の傾向があるかどうかなども、調べてみたらどうでしょうか。