なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 長官狙撃事件の帰趨

 容疑者が逮捕されたときから、「実行犯不詳」などという逮捕事実だといわれていたので、捜査側の苦しさが最初からにじみ出ていた事件でした。実行犯は共犯を捕まえてから調べる、なんてきわめてずさんで、逮捕状を出した裁判所の姿勢も疑いたくなります。
 何年か前には任意捜査(逮捕せずに警察に呼び出して調べること。ただし、そのときも、実際には警察官が監視していて、実質的には逮捕状態だったみたいですが)をして起訴を見送り、今回は逮捕まではこぎ着けたが起訴できずということで、今後の迷宮入りはほぼ確定ですね。
 それはそうと、今回、逮捕して起訴された4名は、大々的に実名や写真まで公表され、今後の人生設計が狂ったことでしょう。彼らが元あるいは現オウム信者だという理由だけで、今回、上記のような公表になったのだとしたら、それはそれで大きな報道被害の問題だし、見込み捜査や裁判所の安易な令状審査のあり方も、もっと声をあげて批判する必要があるのではないかと思います。