聞き手としての弁護士の役割
id:gizajuさんの日記を読んで、我が身について思ったこと。
今まで、弁護士というのは法律のプロとしてやってきましたが、「態度が横柄だ」とか「話を聞いてくれない」、「話が全部終わらないのに、あなたのいうことはこういうことですね、と勝手に要約して話し始める」、「細かい部分になると、そんなことはどうでもいい、とかいわれる」などという批判も受けます。そういう風に感じられるようではいけないと思って行動するよう心がけてはいるのですが。
一方で、カウンセラーというお仕事というか専門領域があります。カウンセラーとしては、相談者に対して「共感」とか「支援」というスタンスをとるのが鉄則らしいんですが、やはり弁護士というのは、なかなかそういう発想がないわけです。冷静な第三者としての目で依頼者に接するべし、というのがセオリーで、カウンセラーになってはいけない、という意見も根強いのです。ですが、弁護士の相談にカウンセリングという要素がまったくないかといえば、実際にはそうでもなく、とくに上記のような批判を見てみると、弁護士に話を聞いてほしくてやってこられるというお客さんもいるんですね。
依頼者のニーズがどこにあるのかを短時間で見極めて、かつ、聞き上手になったうえで法的に正確なアドバイスをしなければならない。なかなか難しいものです。
難しい顔をして入ってきたお客さんが、少しでも笑顔を取り戻して帰ってほしいと思いながら、相談業務をしています。