<今週のおすすめ本>石井慶一・編「名句でたどるフランスの知恵」花神社 2100円
この本は、著者が数十年をかけて集めたフランス人の名言・名句3250句が、項目ごとに並べて紹介されています。たとえば、「結婚」という項目には、
- 「現行の婚姻は奇妙であるが、これをしのぐ方策はまだ見つかっていない。」アミエル
- 「魅力に富んだ男女の仲を引き裂く唯一の原因が、結婚生活を営んでいるからという場合がよく見られる。」フレール・エ・カイヤヴェ
といった句が並べられ、
「友」という項目には、
- 「友を疑うのは、友に騙されるより恥ずかしい。」ラ・ロシュフーコー
- 「まことの友人同士はともに孤独である」ボナール
などの句が紹介されています。
なぜフランスか、という点について、著者はあとがきで、スタール夫人の「フランスにおいては人間に学び、ドイツでは書物に学ぶ」という言をひき、フランス人は人間の本性や属性を短い文に凝縮する人間研究の達人である、と述べています。
ワタシは、確か高校生のころ、岩波文庫のラ・ロシュフーコーの箴言集をぱらぱらと読み、言葉の海の深さに感銘したことを覚えており、それ以来、金言・格言の類が好きになりました。何かのおりにめくって眺めているだけで、なにかしら発見をしたり、洞察を得たりすることができます。忙しくて文学書など読む暇はないという現代人にもおすすめします。
というわけで、PocketPCのTODAY画面に聖書からの格言を1日1つ表示してくれる「Bible Verses」というソフトをカスタマイズして、この本から拾ったお気に入りの文句を入れてみることにします。そして、テーマをid:Arieさんのように替えれば、春らしく楽しく過ごせそう!