なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

「キャバクラは不適切」、国側差し替え 滋賀刑務所セクハラ訴訟(京都新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040419-00000023-kyt-l25

 滋賀刑務所(大津市大平)に勤務していた同市内の女性(37)が、男性刑務官との交際のうわさを立てられ、セクハラの精神的苦痛を受けたとして国などに220万円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が19日、大津地裁であり、国側が以前に証拠提出した「原告女性の仕事はキャバクラと言われても仕方がない」などの記述のある刑務所職員の意見陳述書を、キャバクラなどの表現のない陳述書に差し替えた。

このもともとのニュースは、以前、この日記でもお伝えしました。国側は、さすがにまずいと思ったのか、陳述書の差し替えをしたようです。しかし、「キャバクラ」という表現は下品ですね。彼女の働きをさしてそういう表現をするということは、とりもなおさず、自分たちがキャバクラの店長として女性にそういう行為をさせていたということを意味するはずです。セクハラを否定しようとして、かえってセクハラ的土壌があることを自白してしまった結果になりましたね。
一般的に、女性の側は、セクハラを受けたという訴えをすること自体にたいへんなエネルギーを必要とするようです。ですので、そういったエネルギーを使って裁判を起こしている以上、まったく何もない(女性側の捏造)ということは、ふうつは考えにくいのではないかと思います。裁判所も、従来は、「証拠がない」とか「逃げればよかったのに逃げてない」などといって1対1のセクハラ被害の裁判には消極的な判示をすることが多かったのですが、さすがに最近はそのような杓子定規な判決は少なくなってきているように感じます。
国は、民間の職場のセクハラ防止には積極的になってきたようですが、まず自分の足元からきちんと固めるべきではないですかね。