なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」(ISBN:4163217207)

 昨年の各種のミステリーランキングで、金メダルや銀メダルを独占した本です。というわけで、年末に買ってぼちぼち読みました。
 いや〜、みなさんがいろいろなところで書いていますが、小職も完全に騙されました。何をどのように騙されたのかということが書けないところがつらいです。ミステリとしては、それほど完成度が高いとか、オリジナルのトリックがあるとかいうものではないのですが、このだましのテクニックと文章の面白さは、確かにランキング上位のものだと思いました。読後感はきわめてさわやかで、綺麗なタイトルとともに、心に残る本です。
 ミステリの中では、先日書いた「重力ピエロ」のほうが面白いと思いますが、こちらも騙される快感という点では、非常に面白い1冊です。面白い本を読んでいないと嘆いている方には、ぜひおすすめしておきます。