どこまでも広がる「業務妨害」の概念

　愛知県警は９日、指定暴力団山口組弘道会系組長の松村聡容疑者（４３）＝三重県桑名市江場＝ら２人を業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。組事務所がマンションから退去したのに、弘道会内部の「住所録」に事務所の所在地として記載し続け、マンションの業務を妨害した、と県警は判断した。

　弘道会をめぐっては、同会出身で山口組組長の篠田建市受刑者＝通称・司忍＝の出所が４月に予定されており、警察当局が法令を駆使して取り締まりを強化している。愛知県警は３日にも、身分を隠して郵便局から通帳を詐取した疑いで同会ナンバー３の組長を逮捕した。

　中川署によると、松村容疑者の組事務所は２００７年３月、桑名市のマンションの一室から退去した。しかし、昨年１２月に作成された弘道会内部の住所録に退去前の住所を載せ、マンションを管理する名古屋市の不動産業者の業務を妨害した疑いがある。松村容疑者は「弁護士が来るまで話せない」と認否を明らかにしていないという。

　県警は、暴力団の抗争事件でマンションが誤って襲撃対象になったり、入居者が出ていったりする可能性があったと説明している。

http://www.asahi.com/national/update/0310/NGY201103100003.html

　暴力団を擁護する気はさらさらないし、むしろ暴力団事務所の明け渡し執行で苦労した経験があるくらいです。それでも、内部で使う住所録に転居前の住所を載せることが、管理業者の業務妨害になるというのは、いささか突飛な発想というべきではないでしょうか。
　カンニング予備校生を業務妨害罪で逮捕してみたり、いまや業務妨害というのは警察の切り札みたいになっています。なんとなく嫌な風が吹いているような気がします。
　そういえば、あのワタミの元会長にしたって、「住所を知られたくない」という理由で住民票を移さなかったことが報じられています。住所録なんてそんなものなんじゃないでしょうか・・・。

http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2011/03/post-b988.html