なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

いかにも秋葉市長らしい

 4月の統一地方選で行われる広島市長選に立候補しないことを表明した秋葉忠利市長(68)が、辞める心境などを語った映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。秋葉市長は4日の仕事始め式で4選への不出馬を表明した後、民放1社の番組には出演したが、「任期が来て辞めるだけ」として、共同記者会見の要請には応じていない。投稿理由は明らかにしていないが、動画投稿サイトを使った意思表示は異例だ。
(中略)
 同市安佐北区の無職男性(82)は「パソコンが使えない高齢者は、どうやって見ればいいのか。五輪招致問題もあるのに。誰にもわかるように説明してほしい」と困惑。同市中区の主婦樋口みつこさん(57)は「市長としての締めくくりに説明責任を果たさないのでは、全ての業績がぼやけてしまう」と話した。

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110106-OYO1T00188.htm

 まず最初に書いてしまうと、秋葉さんは広島市長として最も大事なことはちゃんとやってきたと思う。広島市長の責務は、やはり、広島の原爆の被害をきちんと内外に発信すること。そして、被爆者に寄り添った行政を展開することだと思っています。その意味では、秋葉さんの行動はそれなりに筋が通ったものであり、歴代の市長と比較しても(といっても荒木市長以降しか知りませんが)、やるべきことをやってきたのではないかと思います。原爆の日の平和宣言にしても、秋葉市長だからこそ言えた、という内容が少なくありません。
 ぼくとしては、秋葉市長がもう1期くらいはやるのではないかと思っていたし、不出馬なのは意外な気がしますが、会見を拒否して動画投稿するというのは、いかにも秋葉さんらしいと思います。決してそれがベストだとは思わないし、マスコミから叩かれようが誤解や曲解をされようが、意を尽くして説明する努力をしてもおかしくはないと思うけども、任期途中で放り出すわけでもないのだから、選挙に出ない理由をいちいち語る必要はないというのは、ある意味で正論だと思います。
 上記の記事には、説明責任という言葉が出てきますが、今書いたとおり、そうした責任は今回についてはないと思うし、秋葉さんのことですから、どこかで発言したり文章を書いたりすることは、これからもあるんだと思います。決して、二度と市民の前に出ない、マイクの前に立たないということではないのではないでしょうか。
 それよりも、気になるのは、秋葉さんの今後。また大学に戻るのか、それとも別の道を歩くのか。動画を見る気にはならない(ビジュアル的にも)ので、彼がどのような説明をしているのかわかりませんが、広島との関わりはずっと持ち続けていて欲しいものです。
 また、後を引き継ぐ市長が誰になるのか、それも気がかりです。知名度ややる気を兼ね備えた人材がいるとも思えない。ときどき、国会議員から首長に転身する人がいます。広島選出の国会議員で、その任にふさわしいような人がいたかしら。
 いっそのこと、柳田前法務大臣にやらせてみたらどうでしょうか。「市長というのはいいですね。二つ覚えておけばいいんです」なんて名言を残してくれるかもしれません・・・。