なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

また刑務所の医師が受刑者に猟奇的な処置を・・・

 うちの地元紙には大きく取り上げられていたのですが、どうやら全国的にはあまり報道されなかったようでもあるので、やや遅れてしまいましたが、ここで紹介しておきます。

 福岡刑務所(福岡県宇美町)の男性医務官が、腰痛を訴えた受刑者に「診療」と称して無理やり尿道に導尿カテーテルを挿管したのは人権侵害にあたるとして、福岡県弁護士会が同刑務所に警告書を出す方針を固めたことが30日、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、医務官は2005年ごろからの数年間、「立ち上がれないほど腰が痛い」などと訴えた受刑者数人に、尿道閉塞などの症状がなく、尿検査など事前に必要な検査もしていないのにカテーテルを挿管しようとしたり、実際に挿管したりした。
 挿管された受刑者には激痛があり、血尿を訴えた場合もあったという。
 同刑務所の医務官を名指しする人権救済申し立てはこれまでに100件近くに上っており、福岡県弁護士会が調査を進めていた。
 医務官は医師の資格を持っている。福岡刑務所は「(カテーテル挿管は)腰痛で歩行が困難な場合の医療行為と考えている。現在、弁護士会から照会されている段階なので、詳しく答える立場にない」としている。

http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010083001000954.html

 徳島刑務所で松岡という「変態医師」が多くの受刑者の肛門に指を突っ込んで直腸を破裂させたというおぞましい事件は、まだ記憶に新しいところです。その悪夢が冷めないうちに、今度は福岡刑務所の医師が似たようなことをやっていることが発覚しました。徳島が肛門なら、こっちは尿道。似たような変質者ばかりが刑務所の医者になってしまうのか、刑務所の医者をやっているうちに変態行為がやりたくなるのか、いったいどちらなんでしょうか。
 徳島のケースでも、地元の弁護士会に、医師を名指しして100件程度の人権救済申し立てがあったと聞いています。そうした構図までまるでそっくり。徳島でも、刑務所長や法務省矯正局は、その医師をかばい続けました。今回も同じような展開で、もうウンザリです。千葉法務大臣は、死刑の問題に取り組もうとしておられるようですが、こうした刑務所の日常的な人権侵害についても、本気で取り上げて是正してもらいたいものです。それこそ、「政治主導」の腕の見せどころですよ。