なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

総理の理想と現実

 政治ネタが続きますが、このようなご時世なのでご容赦ください。
 鳩山さんの辞任会見の演説を読みました。なんだか、すっきりしました。
 オバマさんの演説に似ているところがあるのではないかとも感じました。
 鳩山さんの掲げる理念、理想としたところは、「人の命を大切にする政治」というものでした。これは非常に曖昧だけれども、何となくわかる。それが本当に理想どおりに運べば、子ども手当普天間海外移転脱官僚による政治主導の政治など、きっと、今までとは違った未来が開けていたのかもしれないと思わせます。しかし、現実は、理想だけで突っ走れるようなものでなかった。予算の制約があり、外交では当然ながら相手がある。官僚や利権といったものも足を引っ張ったかもしれない。鳩山さんがもう少しタフだったり、あるいはゼロからしがらみからフリーでいられたとしたなら、きっと8ヶ月で政権を終えることはなかったでしょうに。
 自民党時代末期は、それが余りにも長く続いてしまったために、理念や理想が語られることはなかったし、それが政治と結びつくなんてことは失われていました。安倍は「美しい国」なんてことを言おうとしていたけど、あんなものはただのスローガンにすぎなかったし、実際にとられた政策は、国民の不評を買うものばかりだった。
 そう考えると、鳩山劇場がここで終わるのはちょっと寂しい気がするけども、今後に登場する総理には、もっとビジョンを、もっと理想を語って欲しい。その理想と政策を結びつける努力を怠らないで欲しい。鳩山政権から学ぶものがあるとしたら、そうしたことなんじゃないかと考える昼下がりです。