憲法記念日に寄せて

　今日は憲法記念日。憲法のおかげでゴールデンウィークが成り立っているとも言えるので，その意味でも，現憲法を大切にしていく必要があるのではないだろうか。
　なんて冗談はともかく，最近は，民主党のドタバタもあって，憲法論議が寂しくなっています。安倍晋三時代にできた国民投票法のことも忘れ去られようとしていますが，実のところ，それでいいのではないでしょうか。この間においても，世間はめまぐるしく動いていて，普天間がどうのこのとか，子ども手当がどうだとか，検察審査会はどうだとか，いろんな議論が起こっては，またそれが収束しないうちに次の事件が起きていきます。そんな世の中でも，変わらないでいるのが憲法であり，その憲法のもとでいろんなことが処理されて，動いていっているのです。つまり，現憲法のもとでも大きな不自由はなく動いているのが世の中であり，なぜ憲法自体を変えて良く必要があるのか，憲法と世の中が一緒に動いていくことにどのような実益があり，憲法を変えるとどのような社会が実現されることになるのか，そのあたりはさっぱり理解できないのです。
　さしあたっては，憲法が施行されて６０年を過ぎているのに，まだその理念が浸透していなかったり，踏みにじされている分野が少なくないのが現状です。もうしばらくは，今の憲法とともに生活したいと思うし，その理念を行き渡らせる方向で舵取りをしていってもらいたいと思うこのごろです。