なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

覚せい剤事件の被疑者弁護

 覚せい剤事件でも,単純所持の事件だと,けっこう,争う被疑者も多いです。「知らない間にパンツに入ってた」と言ったのは勝新太郎でしたっけ(彼の事件は覚せい剤ではなかったが)。まあ,そんな滑稽な否認をする人とか,「友達から中身を知らされずに預かった」「友達に車を貸したら,知らないうちにダッシュボード内に入ってた」など,ひょっとするとそういうこともあるかもしれないというレベルまで,さまざまです。
 これが自己使用の案件になると,争うのはなかなか困難。でも,「ヤクザな彼に知らない間に(お酒に入れて)飲まされた」とか「無理やり注射を射たれた」という女性の否認もあるので,油断はできません。
 ところが,自己使用で争いがない事案というのは,弁護人としてもなかなか活動しにくいもの。財産犯(窃盗や無銭飲食)だと被害弁償とかお詫びとか,いろいろやることがあるのですが,覚せい剤だと被害者がいないうえに,ほぼ起訴されることも確定的なので,弁護人が活躍する余地が乏しいんですよね。
 それでも家族との連絡役になったり,本人を励ましたりすることはできるので,できるだけ接見には行って話をするのがポイントでしょうか。
 今日も雨の中をタクシーを飛ばして接見に行きました。法テラスも,せめて雨の日のタクシー代くらいは出して欲しい。片道3000円はちょっと懐に厳しいです。