なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

自分の体型は自分で決める

 大阪刑務所(堺市)が肥満の受刑者らに「おかゆダイエット」を強制したのは人権侵害にあたるとして、大阪弁護士会は14日、同刑務所に改善を求める勧告書を送ったと発表した。30〜50代の男性受刑者5人が、弁護士会に人権救済を申し立てていた。

 弁護士会によると、大阪刑務所は05年末以降、肥満や高血圧などの症状がある5人に対し、医師の診断を経たうえで「減量目的」を理由に主食の米飯をおかゆに切り替えた。刑務所の記録では、高血圧の男性(50)には1年4カ月続き、体重が70キロから55キロに減ったという。

 弁護士会は、本人が望んでいないのにおかゆを食べさせたのは不当と判断。生命の危険などがない限り、本人の意思に反した医療措置をとることを禁じた受刑者処遇法に抵触するとしている。

 大阪刑務所の担当者は「勧告書が届いておらず、コメントできない」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/1214/OSK200912140082.html

 もともと、刑務所では厳密に食事の量が決められています。主として、行っている懲役作業の内容と体格などで決まります。したがって、いくら大食漢といえども、勝手に「おかわり」をすることもできません。もちろん、受刑者同士でおかずやご飯を分け合ったり、譲り合ったりすることは厳禁。ばれれば、懲罰を受けること必至です。
 そう考えると、刑務所が勝手に、「おまえは肥満だからおかゆでいい」なんて決めるなんて言語道断です。糖尿病などで厳密な食餌制限が必要というならともかく、刑務所生活での唯一の楽しみと言ってもよい食事を制限され、体重まで管理されるというのは、余計なお世話を通り越していると思います。
 その意味で、大阪弁護士会の勧告は、当たり前のことを当たり前に言い切った、いい措置だと思いますね。