なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

なぜ多くの弁護士は境界の裁判を嫌がるのか

 多くの弁護士にとって、境界確認の裁判は、最もやりたくない裁判の一つであるようです。
 それはなぜか。いろんな要素がありますが、まず、勝ち負けの予想が非常に立てにくいこと。境界の目安になるものが曖昧だったり(木の根っことか、ブロックの端とか、それ自体が動いたり年月によって変化したりすることが多い)、水掛け論になりやすいです。
 そして何より、いただける弁護士費用の割に手間が非常にかかってしまうこと。もちろん、「金に糸目をつけない」なんてことをおっしゃる依頼者もいますが、いくらそういわれても、係争地の時価を基準に費用を算出せざるを得ないわけで・・・。
 ということで、もし弁護士に断られてしまったら、とりあえず簡易裁判所での調停をお薦めします。これだと費用も安いし、弁護士がいなくてもなんとかなります。話し合いなので、相手が応じなかったりするリスクは当然ありますが。
 また、裁判類似の斡旋制度としては、地元の弁護士会土地家屋調査士会などが連携して解決するシステムを作っているところも多いです。
 そうしたところに申し立てしてみてはいかがでしょうか。 
境界問題相談センターおおさか
http://www.hiroshima-chousashi.or.jp/kyoukai/index.html