なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

嬉しくない記録更新

 全国の刑務所に収容されている無期刑の受刑者が、2008年末時点で前年より40人増えて1710人となり、戦後最多を更新したことが11日、法務省の集計(速報値)で分かった。厳罰化などの影響とみられる。

 集計によると、無期懲役・禁固の判決が確定し、08年中に服役が始まったのは53人(前年は89人)。一方、08年中に仮釈放されたのは5人(同3人)にとどまった。

 服役期間をみると、08年末時点で80人が30年以上、うち6人は50年以上で、依然として長期化する傾向にある。

 無期刑の受刑者は1971年に1000人を割り、80年代前半には700人台にまで減少。しかしその後増加に転じ、99年に再び1000人を超えて増え続けている。

 仮釈放の可否は従来、刑務所長らの申し出に基づいて審理されてきたが、今月からは服役が30年を超えた段階で一律に審理する方式に変わった。仮釈放が増え、受刑者の減少につながる可能性が指摘されている。

http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009041101000020.html

 新しく無期になったのが53名で、仮釈放がたったの5名ですか。その一方で、無期受刑者は40人しか増えていないと記事にあるから、集計のタイミングの問題があるとはいえ、8名近くは獄死したのかもしれません。
 記事の末尾には、「(無期の)受刑者の減少につながる可能性が指摘されている」とかニュートラルな書きぶりがなされていますが、いったい、仮釈放を増やす方がいいのか、減らす方がいいのか、大きな方向性を議論しておく必要はありそうですね。
 それから、(これを書くといつも祭り状態になるんですけど)やはり死刑をどうするのかの議論も。死刑が減った代わりに無期が増えるのなら、それはそれでやむを得ないかもしれません。しかし、実際には死刑は増えているわけで、死刑も無期もそろって増えるという結果になっているわけです。そこをもうちょっと論じた記事が読みたいですね。