なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

無料相談は是か非か

 弁護士が無料で市民から相談を受けること、それについて広く広告して相談者を集めることについては、古くから議論があります。反対派は、プロとして責任を持って回答するには、やはり正当な対価をもらうのが筋であり、無料で相談を行うというのは好ましくない、と考えています。それに対して、肯定派は、いわゆる営業活動の一つとして無料で相談を受け付け、自分の存在をPRすることも許されるし、無料だから回答の質が落ちると言うことはありえないと反論しています。
 現在は、弁護士の広告も自由化されており、無料相談を謳う事務所も多くなりました。東京などでは、電車に乗ると、この手の広告が多いのにびっくりします。
 ただ、田舎に行けばいくほど弁護士の数も少なくなり、弁護士の数に反比例して閉鎖度もアップしていきます。弁護士が数人というレベルがいちばん閉鎖度が高いかなぁ。こうした地域では、弁護士が何か新しいことをやろうとしても、他の弁護士が足を引っ張ったりすることもあるらしいから・・・。
 司法試験の合格者が増え、地域で新しく事務所を構える人も増えてきました。新しい酒は新しい革袋に入れるべきであり、無料相談というテクニックも、地域のボス的な弁護士に対抗しようとする手段としては、それなりに有効なテクニックだと思います。もちろん、最後に選ぶのはお客さんの側ですから、若手よりも経験が豊富なベテランが好まれるかもしれないわけで、無料相談に目くじらを立てるのもいかがかと思いますよ。