なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

Eye of The Beholder

死は見る者の目に宿る (ランダムハウス講談社文庫)

死は見る者の目に宿る (ランダムハウス講談社文庫)

 久しぶりに分厚い長編ミステリを読みました。原題はこのエントリのタイトル。邦題のほうは、読み終わってもなんのことを言っているのかよくわかりませんね。
 昨夜は3時まで読みふけってしまい、今日の午前中に読了しました。途中から止まらなくなります。
 いきなり6人の女性が連続して殺される事件で始まり、その容疑者はすぐに逮捕されます。600ページを超える大作ですが、ここまでで約30ページ。その後がこの作品のスタートです。アメリカのミステリですが、気の利いたアメリカンジョークなどはほとんど出てこず、精神的に病んでいる人たちが事件のキーを握るという、やや陰鬱な雰囲気の物語です。これまたラスト30ページくらいで明らかになる事実も衝撃的で、ミステリとしての面白さにもこと欠きません。登場人物のうち、男性はいずれも個性的でユニークな人物が多いのに対し、女性の登場人物にはそれほど魅力を感じないという、ある意味で男性的な小説でもありました。
 かなりのおすすめ作品。