なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

伊坂ワールド

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 長編だけではなく、短編でも伊坂ワールドが満載。単なる短編ではなく、登場人物が少しずつ重なりながら、過去と未来を行き来する凝った構造。「短編のふりをした長編」と著者は呼んでいるようで、一粒で2度美味しい、コストパフォーマンスにも秀でた本です。
 このお話に出てくるキャラクターは、みんな個性的で愉快な人たちばかりですが、なんといっても台詞が生き生きとしていて、本当にそこにいるような、友達になってみたいようなそんな気がしてきます。前に読んだ「陽気なギャングが〜」の感想でも同じようなことを書きましたが、読者をそんな気持ちにさせる著者の力量には恐れ入るばかり。肩に力が入っていない自然な文体も魅力的。
 嫁さんに貸したら、さっきから読みふけってしまい、寝られそうにない様子。
 そういえば、この作品はWOWOWでドラマ化されていて、それはスゴ録で録画したまままだ見てないんですよね。「陽気なギャング」のDVDも買ったままで見ていないし。映像を見てみたいような、自分の中のイメージが壊れそうで不安なような、そんな気持ち。