なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

光市母子殺害事件弁護団を批判する前に

 物事の見方、評価はひとそれぞれだから、いろんな批判があってよいと思う。その中にも、きっと、耳を傾ける必要がある意見もあるはず。
 ただ、例の橋下発言も含め、批判をしようとする人に知っておいてもらいたいことがあります。
1 ドラえもんや母胎回帰の話は、被告人が捕まった当初から話していたものであるが、1,2審の弁護団の方針から、半ば意図的にクローズアップされてこなかったものであること。
2 こうした事実や、弁護団の方針については、マスコミを集めた記者会見で弁護団が繰り返し述べてきたものであるが、マスコミで詳細が報道されたことはなかったこと。
 とくに、2の点は重要かと思います。地元だからよく知っていますが、記者さんたちはとても取材に熱心だし、きちんと聴く耳を持ってくれています。しかし、なぜかそれが記事にならないし、報道されない。おそらく、第1線の記者よりももっと上のレベル(デスクなど)で、ニュース価値がないとか、これまでの報道に矛盾するなどの理由で、お蔵入りにされてしまったのではないかと思われます。
 弁護団が社会に説明する義務があるかどうかという点は、昨日も書いたように否定的に捕らえていますが、それは別にしても、弁護団がマスコミに説明をしていることは理解してやってほしいと思います。
 ぎゃくに、こうした事実を踏まえたうえで、それでも弁護団の方針に異議があるなら、どんどん出してもらえばいいと思う。それでようやく、かみ合った議論ができるのだろうと思います。