「不合理な弁解」
↑の記事に出てくる裁判所の決まり文句のひとつが、「不合理な弁解」。要するに、裁判所の認定したストーリーと違うことを被告人がしゃべったら、それはすべて「不合理な弁解」になってしまうわけ。だって、「合理的な弁解」なら無罪になるわけだから。つまるところ、有罪の判決が出た事件で、被告人がした弁解はすべて「不合理な弁解」なんですよ。だったら、いちいち「不合理な弁解」をしているとかいって非難して、実刑の理由にするのはやめてもらいたいものです。
ところで、「不合理な弁解」で思い出したのが、例の光市母子殺害事件。
あれも、ドラえもんや母胎回帰ストーリーが「不合理な弁解」であるとして、そうした弁解を繰り出してきた弁護団が激しく攻撃されています。そして懲戒請求が山のようになされています。
では、この村上さんの弁護団やホリエモンの弁権団に、ネットワーカーたちが反応しないのはなぜでしょうか。彼らに懲戒請求をしようという運動が起きているとは聞いたことがありません。「不合理な弁解」をしているという点では、村上弁護団も光市弁護団も同じことでしょうに。
もちろん、被告人がやったことの中身はあまりにも違いすぎます。ただ、弁護人の役割という意味では、光市も村上ファンドも同じことです。「不合理な弁解」だろうとなかろうと、被告人のために弁解をするのが仕事なんです。