なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 金儲けが悪いのか

 判決宣告の瞬間、村上ファンド前代表の村上世彰(よしあき)被告(47)はぼうぜんと立ちつくした。東京地裁は19日、「もの言う株主」として証券取引市場を騒がせた村上前代表に実刑判決を言い渡した。「徹底した利益至上主義には慄然(りつぜん)とする」「不合理な弁解に終始し、反省は皆無」――。「プロ中のプロ」を自任した前代表は、裁判長が浴びせる厳しい言葉を目を閉じて聴いた。

http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200707190311.html

 ファンドが利益を追求することは当然だし、このことを「慄然とする」と非難する裁判長の感覚に「慄然とする」よ。
 日銀の福井総裁だって、村上ファンドに投資して多額の利益を上げていたわけで、もともとファンドというものはそういうものでしょ。「徹底した利益至上主義」が悪いなら、福井総裁だってとうの昔に退場してもらわなければならなかったはず。
 どうも裁判所は、露骨な金儲けがお嫌いらしいですね。そういう姿勢を見ていると、この国は共産主義国かと思いますよ。
 結果的に、村上さんのやったことが違法であったとしても、多額の追徴金も払わせられるわけだし、実刑にする理由はどこにもないと思いますね。政治家の収賄や経済人の贈賄だって執行猶予がつく世の中ですよ。そうしたものとのバランスの悪さを感じずにはおられません。投資して甘い汁をすった福井総裁が利益をどこかに寄付したことで免責されるなら、村上さんにしたって巨額の追徴金を払うなら、執行猶予つきの有罪でもいいんじゃないかと思いますね。