なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

久間大臣の風見鶏的妄言

 久間章生防衛相は30日、千葉県柏市麗沢大学で「我が国の防衛について」と題して行った講演で、太平洋戦争終結時に米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて「米国はソ連が日本を占領しないよう原爆を落とした。無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったという頭の整理で、今しょうがないなと思っている」と述べた。
(中略)
「しょうがない点もあるが、相手の意図を見抜かなければならない。それで『米国(のこと)はもう恨んでいない』と(いう趣旨のことを言った)。原爆を是認したわけではない」と釈明した。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070701k0000m010052000c.html

 久間大臣は、イラク問題などで米国を批判するような発言をしていました。それが原因で米国から冷遇されるや、それを撤回して、アメリカにおもねるような発言を繰り返し得ていたところです。
 それがとうとう、この発言ですか。
 要するに、「しょうがないこと」なので「もうアメリカを恨まない」ということですよね。
 ところが、この発言が疑問視され始めた翌日には、発言を軌道修正して苦しい釈明。

 会見で久間氏は「広島、長崎に落とした核爆弾を是認したわけではない。許せないという気持ちは持っている」と強調。「日本が相手国の意図を見抜けないと取り返しのつかないことになる例えだったが、原爆の話までしなくてもよかった。私の説明がまずかった」と釈明した。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070702k0000m010069000c.html

 核爆弾を是認しないなら、「しょうがないこと」という総括はあり得ないでしょ。イラクにだって北朝鮮にだって、どんどん核爆弾を落としても、戦争や紛争を終わらせるためなら「しょうがないこと」になるんでしょうね。「許せない」という気持ちがあるなら、なぜ、「もう恨まない」ということになるのかも意味不明です。
 まあ、久間大臣は、冒頭に書いたとおり、強い信念や深い考察で上記のような発言をしたのではなく、アメリカにすり寄りたいがために、アメリカのご機嫌を取っただけなんでしょうけどね。だから発言が批判されるや、いとも簡単に趣旨不明の訂正に及んでしまうわけで。
 爆心地近くに住む市民として、ぼくはアメリカという国を許す気にはなりませんね。もちろん、久間大臣のこともですが(w。