なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

「介護刑務所」の実情

 毎日新聞でなかなかいい連載が始まったようです。

 作業を終えて食事の時間になると、かむ力の弱い高齢者にはおかゆをはじめ、肉や野菜が細かく刻まれた特別メニューが用意される。刑務所内では、保安維持を「戒護(かいご)」と呼ぶが、ある幹部は「実際の仕事は介護だ」と嘆く。
 刑務所での勤務経験がある浜井浩一龍谷法科大学院教授(47)は「格差社会で落ちこぼれた一部の高齢者を、福祉が支えきれずに刑務所が受け皿になっている構図がある」と指摘する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070616-00000039-mailo-l22

 これって静岡版だけの記事なんでしょうか。だとしたらもったいないです。
 本来、国民の生活を最後に支えるのは、生活保護という国の制度であるはずです。ところが、いまや、街にはホームレスが溢れ、ネットカフェをホテルがわりに生活する若者が増え、そして老人たちは刑務所で介護を受ける。これほどに、いわゆる「格差」は深刻になっているし、生活保護なんてまともに機能していないことは明らかです。年金問題でも政府は痛い失策を続けていますが、生活保護問題もまったく失政というほかはないレベルに陥っています。コムスン問題も露顕したし、この国の福祉のあり方をもう一度、抜本的に見直すべき時期にきているように思うのですが。