なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

元公安調査庁長官宅に強制捜査

 実際に資金の決済は後回しにして、登記だけ先につけるということも絶無ではないですよ。ですから、地検がこの時点で強制捜査をすることは、いかにもやり過ぎの感は否めません。当の元長官も「でっちあげだ」と反発しているとのこと。
 しかし、オウムの件でもそうでしたが、軽微な違反(建造物侵入とか住民票がおかしいとか)でどんどん摘発していったのは、当の国であり、公安調査庁の方針でもあったわけです。みずからが「でっちあげ」まがいの不当な捜査をやっておいて、自分が捜索を受けると非難するというのは、ダブルスタンダードで見苦しい限り。
 こうしたひとには弁護士バッジも返上してもらいたい。
 ただの投資顧問会社社長でいいじゃないですか。
(追記)
 緒方さんのコメントが面白いです。

 緒方氏は「架空の犯罪事実を作り上げたとしか思えない」「取引途中で架空かどうか確証もないのに捜索するとはどういうことか。取引をつぶすためのアピール効果を狙ったんだろう」と特捜部を批判。「政治的な意味を感じる。政権からプレッシャーをかけられているのだろう」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY200706140177.html

 上でも書きましたが、こうしたやり方は公安でも特捜部でもこれまでバンバンやってきたじゃないですか。その張本人が緒方さんだったわけで、弁護士になったとたんに変節するのはいいかげんにしてもらいたいです。
 もともと、こうした政治的な捜査が多すぎるのがいけないのですが、在職中にそんなことを屁とも思わなかった人が、いくら強い口調で非難してみても、ぜんぜん説得力がなさ過ぎます。
 せめて、「私も前職ではさんざんひどいことをやってきたが」くらいの謝罪があってもいいと思いますね(w。