なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 弁護士会の決定を支持します

山口県光市の母子殺害事件で殺人罪などに問われた元少年(26)の弁護士2人が昨年3月、最高裁で予定されていた弁論に欠席したのは訴訟遅延行為に当たるとして、遺族の本村洋さん(31)が弁護士会に懲戒処分を求めていた問題で、広島弁護士会が2人のうち足立修一弁護士について、「懲戒しない」とする決定をしていたことが分かった。
(中略)
 広島弁護士会の決定は、「公判期日の延期を見込んで、批判覚悟で、あえて弁論に欠席した動機は、死刑か無期懲役かという究極の局面にある被告の弁護活動を尽くすためだったと認められる」と指摘した。

 本村さんは「公判延期をもくろんだ欠席を、弁護士会が正当だと認めるのは信じられない」と話し、日本弁護士連合会に異議申し立てを行うか検討する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070417i507.htm

 知りませんでした(^^;)。
 この問題については、そもそも最高裁の期日指定のやり方が強引すぎだったということは、前に指摘したとおりです。
 そして、弁護人の目的が被告人のために最善を尽くすことにあるとすれば、弁護人が被告人ともよく打ち合わせたうえで、こうした行動に出ることは容認されるべきでしょう。本村さんには申し訳ないけれども、弁護人は被告人の利益のために行動しているのであって、犯罪被害者(遺族)のために行動しているわけではありません。もちろん、不当に裁判を引き延ばすことがあってはならないことは当然ですが、彼ら弁護人は、何度もこうした戦術をとったわけではなく、不当な最高裁のやり方に抗議する意味も込めて、あえて一度だけ、こうした強硬手段に出たものです。こうしたやり方は、とくに被害者サイドから見れば不快なことであることには違いないでしょうが、被告人のサイドにたって考えたときには、不合理であると批判することは困難であると思われます。