なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

消滅時効の管理は忘れずに

 権利があっても、長年行使しないと消滅してなくなります。これが消滅時効の制度です。
 たとえば、不法行為(交通事故など)は、基本的には損害や加害者を知ったとき(普通は事故のときですね)から3年で時効にかかります。株式会社である銀行がお客さんに貸したお金は、5年間で時効にかかります。
 さて、依頼人から、「今月末で時効が来そうなので、裁判を起こしてください」と頼まれました。時効になりそうなときは、とりあえず裁判を起こしてしまえば、そのときに時効が中断します(要するにゼロに戻ってそこからまたカウントする)。そのため、時効の中断を目的として裁判を起こすこともよくあるのです。
 そこで、必要な資料をもらって準備をしていたところ、今日になって、「よく調べてみたらあさってが時効の日でした」という電話が。ということは、明日の午後12時までに裁判所に訴状を出しておかないといけません。裁判に必要な実費もまだもらってないのですが、今日中に振り込みをするとのこと。訴状はほぼ完成していたとはいえ、急にどたばたし始め、「そろそろ昼休みか」とリラックスモードに入っていた(と思われる)事務員さんにも、急な仕事をお願いすることになりました。
 「緊急案件手当て」とか、依頼人から特別にもらいたい気分ですよ。