なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 労役場留置中の男性が死亡 東京拘置所(朝日新聞)

 東京拘置所は20日、労役場留置中の40歳代の男性が17日に死亡した、と発表した。18日に司法解剖されたが、外傷などはなく、病死という。

 拘置所によると、男性は17日午後2時ごろ、下着交換のために職員が呼びかけたが反応がなかった。救命処置がされたが同日午後3時すぎ、死亡が確認されたという。

 男性は10月下旬に入所。入所時の健康診断で「くも膜下出血を患い、両腕が上がりにくい」などと申告。入所後に作業はせず、独居房で休養していたという。拘置所は「事前の兆候は特になかった」としている。

 労役場留置は、罰金や科料の刑を言い渡されたのに支払えない場合に収監し、労役に服させる処分。3年を超えない範囲内で裁判官が期間を定め、判決時に言い渡す。刑務所や拘置所の中の労役場に収監され、紙袋や封筒作りなどの軽作業をする。

 末尾に指摘してあるとおり、労役場留置は罰金が支払えない場合の代替刑です。多くの場合、1日5000円くらいに換算されます。10万円の罰金が払えない場合には、20日間、労役場に入らないといけません。
 はたして、この死亡した男性が、どのような罪で何日間、労役場に入っていなければならなかったのか、この記事ではよくわかりません。ただ、以前にくも膜下出血をしているような病人を、あえて今、労役場に入れる必要があったのでしょうか。実際にも、労役場留置といいながら、作業はしていないみたいだし。
 刑の執行を司っている検察官に、そのへんの事情を聞いてみたいものです。
 またこうして、原因究明も、今後の対策も何も論じられず、「事前の兆候は特になかった」、「病死」などと、運が悪かったというニュアンスで、事件が闇に葬られるのでしょう。
 まだ40代。死ななくてもよい年齢です。