なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 三重刑務所:薬物依存受刑者に民間職員手助け 再犯防止へ「矯正教育」義務化(毎日新聞)

 全国の行刑施設(刑務所、少年刑務所拘置所)で、薬物依存症の体験を持つ受刑者に対し、新しい矯正教育が始まっている。これまで施設に対応が委ねられていたが、民間の知恵を借りて社会復帰を手助けしようという狙いだ。今年度から全国74カ所の施設のうち34カ所で、民間リハビリ組織「ダルク」の職員が施設内で講習を行っている。

 一部の過激な論者の中には、刑罰としての「懲役」は、強制労働という意味であるとして、受刑者に対する教育を義務化することに反対する人もいます。なるほど、「洗脳教育」みたいなものがなされ、政治犯が転向を迫られるなんてことになると事態は深刻になってきますが、更生のための教育について目くじらを立てる必要もないように思います。
 むしろ、いままでこうした試みがなかったことが問題です。とくに薬物依存の場合には、刑罰を強化するだけでは限界があります。こうした民間組織や地域の医療センターなどの協力を得ながら、長い目で見た教育が必要だと思います。再犯者が少しでも減れば、こうした教育にかかる経費など、すぐに元がとれるといっても過言ではありません。