なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 元明石署長らの時効成立 花火大会事故から丸5年

 兵庫県明石市で花火大会の見物客が歩道橋上で次々と転倒し、11人が死亡した事故から丸5年を迎え、21日午前零時、警備の最高責任者だった当時の明石署長と副署長に対する業務上過失致死傷罪の時効が成立。遺族会は20日、集会を開き「元署長らの不起訴は不当」と訴えた。
 遺族は再三、元署長らの起訴を要請。神戸検察審査会も2度にわたって「起訴相当」と議決したが、神戸地検は6月22日に3度目の不起訴処分を決めた。
 この事故で、明石署元地域官ら5人が神戸地裁で有罪判決を受け、元市幹部1人を除く4被告が大阪高裁で審理中。民事訴訟では、県などに計約5億6000万円の支払いを命じた判決が確定している。
共同通信) - 7月20日19時33分更新

 検察審査会がいくら「起訴相当」にしても地検が不起訴を決め込むなら、検察審査会なんてなくてもいいですよね。
 あるいは、この程度の犯罪であれば、検察審査会などで議論しているうちに公訴時効がきてしまい、それでおしまいに。最初から、地検としてはこうした時間切れを念頭に置いていたのではないかしら。
 改革の方法としては2つ。ひとつは検察審査会の判断に拘束力を持たせること。裁判の現場に裁判員という市民の感覚が持ち込まれ、しかもそれがプロの裁判官と同じ権限を持つことになりました。だとしたら、起訴するかどうかというプロセスにも、市民を参加させ、検察官と同じ権限を与えてもおかしくはない。つまり、今の検察審査会の判断に拘束力を与えるのが理に適っている。
 もう一つは、検察審査会で審査をしている期間中は時効の進行を停めるような立法をすること。そうしないと、比較的軽い犯罪の場合には容易に時効で逃げきれてしまう。
 弁護士の数を増やしたり、裁判員制度を導入するのも結構だけど、こうした検察の横暴を許さないための改革も必要だと思います。