なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

日弁連という組織

 某所で取り上げられていたので若干コメント。
 日弁連=日本弁護士連合会は、全国の弁護士の集まりです。医師会と違うのは、いわゆる強制加入団体で、弁護士は全員が日弁連の会員であるし、脱退はできないということです(法律で決められている)。したがって、日弁連に加入しない自由はないし、日弁連に加入していない弁護士など存在しません。
 さて、このような強制加入団体であることから、日弁連では、政治的な問題に対する発言が難しいという立場にあります。たとえば、自民党の国会議員もいれば、共産党の議員もいます。ですから、政治問題について、多数決で特定の意見を表明したりすることは、ちょっと難しい状況にあります。
 北朝鮮拉致問題について、日弁連が取り組んでこなかったという批判があるようですが、一会員から見れば、それなりに取り組んでいるのではないか、というところです。たとえば、有本恵子さんの拉致問題については、2000年に政府に対して、拉致の疑いが強いのできちんと取り組むよう求める要望書を出していますし、2005年には、いわゆる特定失踪者といわれる行方不明者16人について、これも北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であるので、政府として北朝鮮と交渉して真相を究明するよう求める要望書を出しています。
 日弁連としては、このように、人権侵害を受けたという被害者から救済の申立があれば、それについて検討して、しかるべき措置を講じるという作業をしているところで、特段、北朝鮮に及び腰だとか、放置しているということはないと思いますよ。