なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

速報/布川事件で再審開始決定

 どうやら水戸地裁土浦支部で、上記事件の再審開始決定が出された模様です。

 茨城県利根町布川(ふかわ)で昭和四十二年八月、ひとり暮らしの大工、玉村象天さん=当時(62)=が絞殺され現金が奪われた「布川事件」で水戸地裁土浦支部(彦坂孝孔裁判長)は二十一日午前、強盗殺人罪に問われ無期懲役が確定し仮釈放中の利根町、桜井昌司元被告(58)と東京都港区、杉山卓男元被告(59)の第二次再審請求について「自白には証明力がなく有罪認定に合理的疑いが生じた」として再審開始を決定した。逮捕から三十八年ぶり。
 死刑、無期懲役が確定した事件での再審開始決定は今年四月の名張毒ぶどう酒事件以来。検察側は即時抗告を検討するとみられる。
 布川事件は指紋や足跡、毛髪、遺留品、盗品など二人と犯行を直接結びつける有力な物的証拠がなく、有罪認定を支えていたのは唯一の直接証拠である自白と、目撃証言の供述証拠だけだった。このため、自白の任意性と信用性が最大の争点となっていた。
 決定では「二人の自白は虚偽を誘発しやすい状況下でされた疑いがあり、著しい変遷が認められ、最終的な真実性に問題がある。二人が本件犯行の犯人であると認めるだけの証明力はないと言わざるを得ない」として弁護側の主張を全面的に認めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050921-00000026-san-soci
 噂では、請求棄却になるかもしれないとのことでしたが、予想に反した決定でした。自白偏重の捜査やそれに依存した起訴の危うさが露呈した事件といえそうです。速やかに再審が開始されることを願います。