なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 引きこもり受刑者急増中 作業サボって独居房(朝日新聞)

http://www.asahi.com/national/update/0920/TKY200509200212.html

 全国の刑務所で、刑務作業を怠ったとして独居房に入れられる受刑者が増えている。集団生活になじめず、懲罰覚悟で1人の世界に逃げようという受刑者が増えたのが原因の一つらしい。過剰収容問題も背景にあり、刑務所内の「引きこもり」に国も手を焼いている。

 当サイトの数少ないウリは、充実した刑務所ニュースです(+_+;)\パコッ!。
 さて、これと同様の記事は、先日、読売新聞でも報道されました。おそらく、ネタもとは同じところなのでしょう。
 ではいったい、ネタもとであると思われる法務省サイドは、なぜ、このようなニュースネタを垂れ流すのでしょうか。そもそも、日本の刑務所では雑居が原則です。修学旅行の旅館のように(といっても、最近の修学旅行ではホテルのベッドというところも多いらしいですが)、6畳間に8人を詰め込んで寝させるという方式です。これではプライバシーもなければ、一人でゆっくり本を読んだり考え事をするゆとりもありません。同房者のいびきがうるさくて寝られないという苦情も後を絶ちません。
 国連で採択されている「被拘禁者処遇最低基準規則」によれば、夜間は単独室(独居)が原則とされています。法務省サイドだってそのことは百も承知。予算獲得のためにこういうプロパガンダを行っているんでしょうか。

 佐藤栄男調査官は「昼は集団で作業し、夜は1人で寝るのが理想。だが、そんな余裕はない」と指摘する。

 刑務所予算の増額を求めるのが背景にあるなら、ストレートに処遇の理念を語ればいいのに、「引きこもり」と結びつけて面白おかしく語ろうというのは、どこか筋が違っているような気がしないではないです。